ソニー α700

主な特徴
・1220万画素CMOS「エクスモア」搭載
・3.0型92万画素液晶モニター
・ファインダー、AF、連写性能が大幅アップ
・ボディ内手ブレ補正はシャッタースピード4段分に強化
ソニー α700 価格比較

クラスを超えた高画質・多機能モデル

ボディ内手ブレ補正、普及機としては初の1000万画素CCDを搭載した「α100」が登場したときは衝撃的だった。それから1年3ヶ月、ソニーから登場した「α700」は、あらゆる部分をレベルアップした中・上級者向けデジタル一眼レフとして登場。1220万画素に高密度化したCMOSセンサー、補正効果が高くなったボディ内手ブレ補正に加え、ファインダーやシャッターなどあらゆる部分に手が加えられている。

■厳ついボディだがライバルよりもコンパクト
ソニーのイメージからは程遠い、無骨で厳ついフォルムだ。α100よりもボディサイズは一回り以上大きくなり、キヤノン EOS 40Dやニコン D200とほぼ同じサイズだが、それらのライバルよりも幾分小さく軽い。ボディサイズとグリップ形状から、ホールディング性はなかなか良いが、手が小さい人はちょっと持て余すと思う。

ボディ前面と上面パネルはマグネシウム合金製だが、他の部分は強化プラスチック製で、価格を考えると物足りない。主要な操作部にはシーリングが施してあり、防塵・防滴性を高めているが、ニコン D200やペンタックス K10Dのような本格的な防塵・防滴構造にはなっていない。

α700はこのクラスとしては珍しく、上面の表示パネルが搭載していない。代わりに露出補正やドライブモードボタンなどが大きめに配置されているが、デザイン的には何か間が抜けた印象を与えてしまう。これだけのサイズがあるのだから、表示パネルは欲しかった。その方がカメラを持ち直すことも少ないし、三脚に設置したときには重宝すると思う。

シャッターボタンの感触はいまいちだ。ふかふかした感触で、ストロークが長くレリ−ズのポイントが分かりづらい。このあたりはα700よりも低価格のキヤノン EOS 40Dやペンタックス K10Dの方が好ましく思える。ただ、シャッターのキレはなかなかで、ミラーショックも小さく抑えられている。

■操作性は概ね良好
上面の表示パネルの代わりに、使用頻度の高い露出補正、ISO感度、ホワイトバランス、ドライブモードボタンが割り当てられている。それぞれボタンを押せば、前後のダイヤル、またはマルチセレクターのいずれかで設定が変えられるが、露出補正ボタン以外は位置が悪い。ボタンが後ろすぎて、ボタンを押そうとするたびにカメラを持ち変えなければならない。もっと前面、もしくはボディ背面に持ってきたほうが押しやすかったと思う。そうなると、なおさら表示パネルを無くした意味がなくなってしまう。

しかし全般的に操作性は良好だ。新たに設けられたAF/MFボタンは、押している間だけMFに切り替わる方式と、押すたびに交互に切り替わる方式を選ぶことが出来る。このボタンによって、キヤノンやニコンのフルタイムマニュアルフォーカスと変わらないくらい俊敏なAF/MF切り替えが可能になった。

■ファインダーは格段に見やすくなった
α700がα100と大きく違うのが、ファインダーと連写性能だ。α100のファインダーも普及クラスとしては見やすい部類だったが、大型ガラスペンタプリズムを使ったα700のファインダーは完全に一クラス上の出来だ。倍率は0.90倍でこのクラスとしては特に大きくはないが、ピントの山は非常に掴みやすい。明るい上にマット面のざらつきが少なく、ボケの再現性が良いので、マニュアルフォーカスでのピント合わせがしやすい、優れたファインダーだ。

尚、ファインダースクリーンは「標準スクリーン」のほかに、F1.4〜2.8の明るいレンズでのマニュアルフォーカスを考慮した「M型スクリーン」と、方眼マットタイプの「L型スクリーン」が用意されているが、サービスセンターでの対応となる。

■AFはライバル達からやや遅れをとっている
AFはα100の9点から11点へと測距点が増え、フォーカスエリアも上下、左右共に広くなっている。11点のうち中央の1点はデュアルクロスセンサーで、精度、速度ともに大幅に向上している。しかし他の10点はクロスセンサーではなく、中央1点に比べると見劣りする。キヤノン EOS 40Dが9点、オリンパス E-3が11点クロスセンサーということを考えると、少々物足りない。

連写速度は5コマ/秒と、α100の3コマ/秒から格段に速くなった。しかし、キヤノン EOS 40Dが6.5コマ/秒、ニコン D300は単体で6コマ/秒を達成しているので、特に高速連写が優れているわけではない。連続撮影コマ数はJPEG記録であればメモリーカードいっぱいまで、RAWでは18コマまで可能。

■92.1万画素液晶モニターの性能は群を抜いている
今回あえて上面の表示パネルを搭載しなかったのは、液晶モニターに表示を統一しようということだろう。その液晶モニターの見やすさは群を抜いている。92.1万画素、3型の「エクストラファイン液晶」の精細感は、今までの23万画素のモニターとは隔世の差で、ピントの確認のしやすさは、これまでの液晶モニターの常識を覆す。また25コマを一画面に表示するなど、表示の幅が一気に広がった。さらに、反射防止のARコート処理とハイブリッド型の採用で、屋外でも高い視認性を確保している。

液晶モニターの表示機能も特筆ものだ。「クイックナビゲーション」は、11の機能をマルチセレクターと、前後のダイヤルで俊敏に出来き、カメラを縦位置に構えると自動的に画面も縦位置に切り替わる。

■ライブビュー未搭載は今後ハンデとなるか?
ボディ内手ブレ補正は補正効果がシャッタースピード4段分に強化。レンズシフト式と違い、ファインダーで補正が確認出来ないデメリットはあるが、ほとんどのレンズで手ブレ補正が可能であることの方がメリットが大きい。ビデオカメラやコンパクトデジタルカメラで、レンズシフト式手ブレ補正の経験が豊富なソニーが、あえてボディ内手ブレ補正を採用するのは、他にも理由があるだろう。味わいのある描写性能を特徴とするレンズが多いαレンズは、手ぶれ補正用のレンズを組み込んでしまうと、その特徴が小さくなってしまうかもしれない。ソニーαがボディ内手ブレ補正を採用したのは、賢明な判断だったと思う。

ちょっと残念なのは、ここのところデジタル一眼レフでも常識となりつつあるライブビューが搭載されていないことだ。せっかく素晴らしい液晶モニターを搭載しているのだから、パナソニックのようにひとひねりして、コントラストAFでも搭載してくれれば、魅力度はかなりアップしたと思う。

■高感度ノイズが低減、色味も好ましくなった
α700では新開発の有効1220万画素CMOSセンサー「エクスモア」が搭載されている。もちろんソニー製で、後に発売されるニコン D300もほぼ同一のものが使われているそうだ。画素数のアップは2割程度なので、劇的な解像度アップは望めないが、α100と比較すると若干精細感は増している。高感度ノイズはEOS 40Dあたりと比較すると多めだが、α100からは大幅に低減しているようだ。

α100で好評だった、露出、階調を自動補正する「Dレンジオプティマイザー」は、被写体の判別精度が向上。さらに補正効果を5段階で選べる「アドバンスレベル設定機能」や、補正効果の違う3コマを一度に撮影する「アドバンスブラケット機能」を新たに搭載し、完成度が高くなった。

画像の仕上がりをコントロールする「クリエイティブスタイル」はキヤノンでいう「ピクチャースタイル」にあたり、14種類ものスタイルが用意されている。これだけ種類が多いと、使いこなすのに時間がかかりそうだ。

■良いカメラだがちょっと割高感がある
α700は大幅な性能アップを果たしたハイアマチュア向けのデジタル一眼レフだ。価格は発売時で17万円と妥当な価格だが、登場した時期が悪かった。α700よりも低価格で、6.5コマ/秒の連写性能、ライブビュー機構を搭載したキヤノン EOS 40Dがベストセラーを記録し、フラッグシップ機並の機能・性能を持ったニコン D300の発売も控えている。さらに優れたライブビュー機構を搭載し、プロの使用にも耐えられるオリンパス E-3が直後に発売になったりと、近年まれに見る魅力的な新製品ラッシュにぶち当たってしまったのだ。

ソニーα700は良くできたカメラだろうが、価格設定がやや高いような気がする。おそらくα700は、α100のような、ちょっとしたブームを巻き起こすことは出来ないだろうと思う。大くのユーザーは、カメラ本体よりも、Gレンズやツァイスレンズに魅力を感じ、それらを使うためのボディとしてα700を選ぶのではないだろうか。

発売時参考価格
ソニー α700ボディ:    178,000円(税込み)
DT16-105レンズキット:  204,800円(税込み)

ソニー α700 価格比較