2006年は各社こぞって主力機種を投入し、近年まれにみる話題の尽きない年になった。中でも家電メーカーの巨人ソニーが送り出したデジタル一眼レフ「α100」は2006年で最大のトピックだったのではないだろうか。
コニカミノルタからαシステムを譲り受け、早い時期から発売を示唆していたソニー製デジタル一眼レフは7月に登場。そのスペックが明かされた時の衝撃は大きかった。それまで上級機種の証でもあったオーバー1000万画素CCDを搭載。さらにボディ内手ブレ補正、センサーのゴミ取り機構を搭載しながら実売価格10万円以下を実現。まさにクラスを越えた存在となった。その売れ行きも予想を越えたものになり、一時期ソニーはα100の一機種だけでデジタル一眼レフのシェア2位を記録したという。
数々のトピックの中でも1020万画素CCDを採用したことは驚きだった。そもそもソニーは世界トップの撮像素子メーカーで、多くのデジタルカメラがソニー製のCCDを採用している。ニコンやペンタックスの一眼レフはソニーとは切っても切れない関係なのだ。
そんなソニーは最新のセンサーを、いち早く有利な条件で搭載できるメリットがある。さらに液晶モニターや、電源関連を含めた電子部品の多くが内製でまかなえ、サイバーショットで培ったデジタルカメラのノウハウもある。足りないのは一眼レフのノウハウで、これはコニカミノルタから譲り受けたの資産がある。ソニーの存在はカメラメーカーにとって脅威になるだろう。
CCDは1020万画素で、画素数はニコンD200と同等のものを採用しているが、D200が4チャンネル呼び出しに対し、α100は2チャ ンネル呼び出し方式が採用されている。2チャンネル呼び出しはスピード面では劣るが、センサー周辺をコンパクトにでき、消費電力を抑えられるメリットがある。
気になる画質はさすがに1020万画素と思わせる高精細さで、解像度はニコン D200を上回っているとの評価だ。色調はこのクラスとしては比較的あっさりしたもので、自然な再現で好感が持てる。現在(2006年1月)数ある1000万画素クラス機の中でもトップクラスの画質だろう。
しかし、感度を上げると評価は変わる。ISO400程度でノイズが浮き始め、ISO800ではライバルと比べても明らかにノイズが多くなり、解像度も落ちる。
忘れてはならないのが、CCDシフト方式による手ぶれ補正機能だ。この機能はコニカミノルタから譲り受けたものだが、アルゴリズムを見直すことなどにより補正範囲が広くなり、シャッタースピード2〜3.5段分の補正が可能だという。この方式のメリットは従来のレンズで、手ぶれ補正が可能になるり、システムの全体の軽量化やトータルコストの低減につながる。
センサーのゴミ取り機能も装備されている。オリンパスのような完全シールドされたものではなく、ローパスフィルターに特殊なコーティング施し、手ぶれ補正機構を利用してゴミをふるい落とすというもの。まだ、採用されている機種は少ない機能で、レンズ交換時の安心感が違う。
初心者に嬉しい機能としては「Dレンジオプティマイザー」が上げられる。これはカメラが自動的に露出と諧調を補正するというもので、逆光時の人物撮影などで背景との露出のバランスをとる上で重宝する。
ボディはコニカミノルタ αSWEET DIGITALをベースにしたもので、ボタンやダイヤル等の操作レイアウトはほぼ同じで操作性はほとんど変わらない。ソニーはあえてこの部分では冒険せずに、長年一眼レフを作り続けてきたコニカミノルタのデザインを尊重したわけだ。しかし、デジタル部の操作性は分かりづらくて操作も煩雑だ。この辺りくらいはソニーオリジナルを取り入れても良かったと思う。
ボディデザインは曲面を多用したもので、ややクラシカルなαSWEET DIGITALを現代風にアレンジしてある。バランスがとれたデザインだが、いまいち特徴がない。手に取るとややボテッとした感じで、質感表現もいまいちに思える。また、気になったのがシャッターボタンの位置で、やや手前すぎるような気がした。
α100はコニカミノルタαSWEET DIGITALをベースにしただけあって、ファインダー、シャッターからAFまでαSWEET DIGITALと同等のものが採用されている。そのいずれも格別優れた性能ということはない。特にAFに関してはEOS Kiss デジタルやニコン D80などと比べると、やや緩慢な動きに思えてしまう。同じくボディ内モーターのペンタックス K100Dのように作動音が耳障りなので、なおさらそう思えるのかもしれない。
鮮烈なデビューを果たしたソニーα100も、直後にニコン D80、キャノン EOS Kiss デジタルXが登場したことで、やや色褪せた。ニコン、キャノンの両機種とは価格、コンセプト共に微妙に異なるが、完成度とバランスの良さではα100がやや劣って見えてしまう。しかし、10万円を切る価格帯で、これだけの画質と機能を備えていることを考えれば評価は高い。特にボディ内手ぶれ補正はキャノン、ニコン共にない機能でその利用価値は高い。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 有効画素数 | 1020万画素 |
| 撮像素子 | CCD サイズ:23.6x15.8mm |
| 最高解像度 | 3872×2592 ピクセル |
| 感 度 | オート、ISO100、200、400、800、1600 |
| 画像記録方式 | RAW、JPEG、RAW+JPEG |
| 記録メディア | メモリースティック デュオ、メモリースティック PRO デュオ、 CFカード(タイプI、II準拠)、マイクロドライブ |
| ファインダー | ペンタミラーファインダー 視野率95%、倍率0.83倍 フォーカシングスクリーン固定式 |
| 液晶モニター | 2.5型 約23万画素 |
| オートフォーカス | 測距点:9点 AFモード:ワンショット、コンティニュアス |
| 露出制御 | 測光方式:多分割測光、中央重点平均測光、スポット測光 制御方式:プログラム、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出 露出補正:±2EV(1/3EVステップ) |
| シャッター速度 | 1/4000〜30秒、バルブ |
| 連続撮影速度 | 約3コマ/秒 |
| 撮影可能コマ数 | JPEG:カード空き容量まで (最高画質) RAW:6コマ |
| 内蔵ストロボ | ガイドナンバー12(ISO100・m) |
| シンクロ | 同調速度:1/160秒(手ブレ補正機能OFF時)、1/125秒(手ブレ補正機能ON時) |
| 手ぶれ補正 | 撮像素子シフト方式 |
| 電 源 | 専用リチウムイオン充電池 |
| バッテリー寿命 | 約750コマ(CIPA規格準拠。内蔵フラッシュ使用率50%) |
| 大きさ | 133.1(幅)×94.7(高)×71.3(奥行)mm |
| 質量(本体のみ) | 545g |