ペンタックス K100D

ボディ内手ぶれ補正を搭載しながら価格が非常に安く、画質面での改良が見られる。高精細さにこだわらなければおすすめの一台。高感度での画質劣化は比較的少ない。
@610万画素(APS-C) A2.5型液晶 B約2.8コマ/秒 C560g
ペンタックス K100D 価格比較

ペンタックス初のボディ内手ぶれ補正

ペンタックスは伝統的に、世代が変わるたびにシリーズ名も変えてしまう。あまり変わり映えしないボディを乱発していた*ist Dシリーズもそろそろネタが尽きたのか、新たにKシリーズを立ち上げることになった。その第一弾がK100Dで、目玉はペンタックス初のボディ内手ぶれ補正だ。

撮像素子、シャッターユニットは従来の*istシリーズのものを流用しているので、ブランニューモデルというには抵抗がある。しかし、ボディ内手ぶれ補正機構「シェイクリダクション(SR)」を搭載したことは大きな意味がある。機構はセンサーをシフトする方式で、ソニー方式と原理は同じだが、K100Dの補正は磁力でCCDをシフトさせベアリングによって支持されているので、メカニカルロスが少ないという。補正範囲はシャッタースピード2〜3.5段分で公称値はソニーα100と同等。キヤノンやニコンの手ぶれ補正レンズともほぼ互角である。

K100Dがソニー α100の手ぶれ補正よりも優っている点は、全てのレンズで手ぶれ補正が可能なこと。レンズアダプターを介せば645レンズや、スクリューマウントのレンズでも補正が可能になる。

610万画素ながら画質は向上

搭載されるセンサーは基本構造が*ist Dシリーズと同じものだが、得られる画像の印象はかなり違う。*ist Dシリーズの特徴だった輪郭強調は影を潜め、大雑把だった細部の描写も線の細くなり、解像感が増している。また、輪郭強調も抑えられているので繊細さも増している。これは画像エンジンを改良したことと、おそらくローパスフィルターを改良した結果だろう。また、高感度の画質の向上が見られ、並の1000万画素クラスよりも高感度時の画質の劣化は少ない。

普及クラスデジタル一眼レフが軒並み1000万画素に到達した現在、スペック的には見劣りするのは否めない。しかし、実用性を考えればこれで十分といえなくもない。A-4サイズプリントでは、K100Dと1000万画素クラスとの違いはさほどないし、高感度の画質に関しては画素ピッチに余裕のある分ノイズが少ない。これは同社の1020万画素機K10Dと比較しても明らかだ。

レスポンス面はやや難あり

液晶モニターは2.5型、21万画素で*ist DS2、DL2と同一スペックだが、コントラスト、明るさともに改善されている。また視野角を140度に拡大したこともあり、従来の液晶と比較すると見やすくなっている。

ファインダーは視野率96%、倍率0.85倍で*ist DS2で採用されたガラスペンタプリズムの採用は見送られ、このクラスでは標準的なペンタミラー方式が採用されている。おそらく低価格化と軽量化のためだろう。それでも並の普及クラスのファインダーより見え具合はいい。少なくともEOS Kiss Digital Xよりはピントの山が掴みやすい。

ちょっと気になるのがシャッターのフィーリングで、シャッターボタンを押して一息ついてから「ガッシャン」という具合だ。レリーズタイムラグ、像消失時間は相変わらず長いが、K100Dではさらに不思議なフィーリングが加わっている。一瞬シャッタースピードが「バルブ」になっているのかと思わせるものがある。

AFは11点測距で、従来よりも改良されているようだが、特別優れているわけでもない。精度自体は問題ないのだろうが、合焦速度は同クラスのキヤノンやニコンのものに比べると劣る。特に同社のマクロレンズのように繰り出し量の大きいレンズでは、作動音が耳障りなこともあり、ちょっといらいらさせられることもある。

圧倒的なコストパフォーマンス

K100Dは実にお買い得なモデルだ。画質はA-4サイズプリントでは必要十分だし、なんといっても装着できる全てのレンズで手ぶれ補正が可能になる。細かいことを言えば、スピード、レスポンス面では多少難はあるが、目くじらを立てるほどのものでもない。少し前まで普及クラスのモデルは価格面、性能面でほぼ横一線だったが、ここにきてだいぶバラけてきた。K100Dは、価格的に数あるデジタル一眼レフのボトムに位置するモデルだ。

価格的にはニコン D40がライバルということになるが、個人的にはK100Dを推したい。画質、シャッターフィーリングは若干D40の方が上だろうが、D40は機能面でずいぶん割り切ったところがあり、個人的にはあまり感心しない。一方K100Dは必要な機能を満たしているし、ボディ内手ぶれ補正は大いに魅力だ。


ペンタックス K100D 性能表
項目 仕様
有効画素数 610万画素
撮像素子 CCD サイズ:23.5×15.7mm
最高解像度 3008×2000 ピクセル
感 度 オート、200、400、800、1600、3200(標準出力感度)
画像記録方式 RAW、JPEG
記録メディア SDメモリーカード
ファインダー ペンタミラーファインダー
視野率96%、倍率0.85倍
フォーカシングスクリーン固定式
液晶モニター 2.5型 約21万画素
オートフォーカス 測距点:11点
AFモード:シングルAF、コンティニアスAF
露出制御 測光方式:TTL開放16分割測光、中央重点測光、スポット測光
制御方式:プログラム、シャッター速度優先、絞り優先、マニュアル、バルブ
露出補正:±2EV(1/2EVステップ 、1/3EVステップ選択可能)
シャッター速度 1/4000秒〜30秒(1/3ステップまたは1/2ステップ)、バルブ
連続撮影速度 約2.8コマ/秒
撮影可能コマ数 JPEG:5コマ(最高画質) RAW:3コマ
内蔵ストロボ ガイドナンバー11(ISO100・m)
シンクロ 同調速度1/180秒
手ぶれ補正 撮像素子シフト方式
電 源 CR-V3リチウム電池2本、単3形電池4本
バッテリー寿命 撮影可能枚数:ストロボ発光なし:約730枚、ストロボ50%発光:約630枚
大きさ 129.5mm(幅)×92.5mm(高)×70mm(厚)
質量(本体のみ) 560g