オリンパス E-510
・ボディ内手ぶれ補正機構搭載
・フルタイムライブビュー、ダストリダクション機構搭載
・キットレンズも超小型・軽量
・発売:2007年6月
豊富な機能をコンパクトボディに凝縮
世界最小・最軽量ボディのE-410が4月に発売され、売れ行きを伸ばしている中、6月に上位機種E-510が発売された。2006年2月発売のE-330以降、1年以上も沈黙を保っていたオリンパスのデジタル一眼レフが、E-410、E-510と立て続けに新製品を発売したのは、基本コンポーネントを共有しながら同時開発を行っていたからだろう。E-510は撮像素子、液晶モニター、シャッターなどの多くのパーツはE-410と共通で、主な違いはボディサイズと新たに搭載された手ぶれ補正機能が搭載されたことだ。
E-330以前のオリンパスは、一眼レフらしくない特異なデザインを特徴としていたが、E-410とこのE-510ではオーソドックスでクラシカルなスタイルへと変化を遂げている。両者ともに特に高さを抑えた横長のスタイルで似通ったデザインだが、E-510はE-410よりも若干大きくなっている。横幅を6mm強拡大したE-510は、写真で見るとやや間延びした印象があり、あまりかっこいいとは思えないが、実機を手にすると印象は変わる。先代のE-500よりも横幅は大きくなっているが、ボディの容積が小さくなっているのでシャープな印象がある。そして一番の違いはボディの質感で、ツルツルのプラスチック然としたE-500からは見違えるようで、E-510では表面が梨地処理されそれなりの高級感がある。またホールドした時の凝縮感や剛性感もE-510の方が高く感じられる。
弟分のE-410との外観上の大きな違いは、グリップ部分でE-510にはにしっかりと大きな出っ張りがあり、その部分にバッテリーが収納される。バッテリーは容量の大きなタイプとなり、E-1と共有のものとなった。グリップが大きくなった分収納性は落ちるが、ホールド感はかなりよくなっている。重さはE-410よりも95g増え470gとなったが、それでもライバルの中ではかなり軽量の部類で、ボディ内手ぶれ補正搭載のソニーα100よりも75g、ペンタックス
K100Dよりも90gほど軽い。
シャッタースピード最大4段分の手ぶれ補正効果
E-510の最大のトピックは、このコンパクトなボディにオリンパス初となる手ぶれ補正が搭載されたことだ。この手ぶれ補正機構は非常に補正効果が大きいのが特徴だという。センサーが小さい分補正量が小さくても大きな補正効果が得られ、公称値では最大4段分の補正効果があるという。これまで、補正効果が幾分弱いとされてきたボディ内手ぶれ補正だが、E-510は光学式手ぶれ補正と同等かそれ以上の効果が期待できるかもしれない。また、ボディ内手ぶれ補正機構の欠点でもあった補正効果の確認も、ライブビューを利用すれば可能であることもオリンパスの強みだ。
使い方に少々コツの必要なライブビューだが、この機能があるのと無いのでは機動性が大きく違う。アクロバッチックな撮影スタイルを強いられるような場面でも、モニターを使えばコンパクトデジカメ感覚でフレーミングできてしまうのだ。モニターはE-330のような可変式ではないが、視野角が広く、明るいので実用性が高い。またE-1以来搭載し続けてきたダストリダクション機構も当然搭載されている。他社でも施されるようになったセンサーのゴミ対策だが、オリンパスのダストリダクションはセンサーが完全シールドされ、超音波でフィルターを振動させゴミをふるい落とすという凝った機構を持つ。
少々気になるのは起動時間が遅いことだ。ライバルたちはスイッチをONにすると即座にスタンバイ状態になるのだが、E-510はE-410同様、起動に2秒ほど待たされる。(ニコン
D40xは0.2秒弱で起動する)これではとっさのシャッターチャンスを逃してしまう可能性がある。また、E-510に限ったことではないが、AF測距点が今時3点では物足りない。特にE-510はE-410の上級機種という位置付けなのだから、最低でも5点のAF測距は望みたかった。
E-500で不満だったファインダーの見え具合は、数値以上に改善されている印象だ。ファインダー倍率はカタログスペック上は0.90倍から0.92倍へのほんの少しの大型化に過ぎないが、実際ファインダーを覗いて比べてみると、数値以上の差が感じられる。これは倍率向上と共に、視度補正による像の大きさの変化を抑えたからだ。それでもAPS-Cサイズ換算すると0.67倍程度の大きさしかないのでまだまだ不満だが、ライバルたちにはずいぶん近づいた印象だ。
画質はE-410と同等で、先代E-500から大きく進化している。解像度はE-500との画素数の差200万画素以上の差が感じられ、EOS Kiss
デジタルXと比較しても遜色ないレベルだ。色調は以前の派手目なものから、被写体に忠実なものに変わり、同クラスのライバルよりも渋目な印象を受ける。
大幅に向上した高感度画質
高感度時のノイズが大幅に低減されたことにも驚かされる。以前のオリンパスは高感度時の画質がウィークポイントだったが、E-510ではライバルに追いついた。他のAPS-Cサイズのデジタル一眼レフと遜色ないどころか、ソニーα100あたりよりも高感度時のノイズは少ないのだ。これはセンサーの性能アップ以上に画像エンジンが新世代「TRUEPICV」になったことによるものが大きいようだ。ただし、ダイナミックレンジに関してはセンサーが小さいことが影響しているようで、白飛びは被写体によっては目立つようだ。
レンズシステムは少しずつではあるが、ラインナップを広げている。しかしまだ十分とは言えず、レンズメーカー製も今のところシグマの一部のレンズに限られ、選択の幅は狭い。特に手頃な中・大口径のレンズはなく、高価な純正に頼るしかない。超音波モーター搭載のレンズも発売される予定なので、中・高級レンズは少し様子を見てから買っても良いだろう。
ライバルはキヤノン EOS Kiss デジタル X、ニコン D40X、ソニー α100あたりだろうが、E-510はこれらの機種よりもやや高価だ。価格的にはニコン
D80やペンタックス K10Dに近いが、ファインダーやAF、ボディの信頼性などはそれらの2機種からは見劣りする。しかしE-510には他では考えられない程豊富な機能があり、コンパクトなボディに凝縮されているのが魅力だ。