オリンパス E-420

E-410登場からわずか1年でモデルチェンジ。ボディデザインや画素数、3点AFなどE-410と変わらない点が多く、一見スペック的には物足りなく思えるかもしれない。しかしライブビューや作画機能は充実。さらに実売価格は6万円前後(ボディのみ・発売時)と、かなりお買い得になった。このクラスのボディは、個性を出すというよりも、価格勝負的な面が強いが、E-420はちょっと違うようだ。
主な特徴
・世界最小、重さわずが380gの超コンパクトボディ
・「ハイスピードイメージャAF」で快適なライブビュー
・連続撮影速度は3.5コマ/秒にアップ
・顔と背景を最適な露出に制御する
 「フェイス&バックコントロール」
・新開発1000万画素 Live MOS
2008年4月発売
発売時参考価格:59,800円 
オリンパス E-420 価格比較

フォーサーズだから出来た超小型・軽量ボディ
ボディサイズは先代E-410と同じで幅129.5×高さ91×奥行き53mm。幅と高さは他の普及クラスのモデルと大差ないが、薄さは群を抜いていて、かつてのMF一眼レフを思わせる。サイズ以上に以上に驚かされるのが軽さで、質量はわずか380g。E-410よりも5gほど重くなっているが、APS-Cサイズのキヤノン EOS Kiss X2やニコン D60よりも100g近く軽い。このコンパクトさと軽さこそがE-420の真骨頂で、画面サイズが小さいフォーサーズだからこそ成し得たのだと思う。

今時めずらしいグリップ部分の出っ張りがないデザインが特徴的で、携帯性を向上させている。その反面、ホールディング性は犠牲になっているのも否定できない。指かかりが小さい上に、シャッターボタンの位置が、かなり手前寄りにあるので、構えたときの安定性は悪い。 ただ、グリップ部の突起が(これが一応指掛りになっている)やや大きくなったので、多少ホールディング性は改善されてはいる。

ダイヤルの形状変更、液晶モニターは2.7型に大型化
全体のフォルムやボタン、ダイヤルのレイアウトはE-410と同じだが、ダイヤルの形状が見直され、質感は向上した。液晶モニターは、先代の2.5型から2.7型へ大型化。視野角は全方位176度と広く、色温度調節が可能になった。

記録メディアはxDピクチャーカードとCFカード、普及機にしては珍しくダブルスロットが採用されている。ダブルスロットなどやめてスピード、コスト面で有利なSDカードにスイッチした方がが、よほど小型化しやすいと思うのだが、xDピクチャーカードを推進するオリンパスには、なかなかそうできない事情があるのだろう。

ボディ内手ぶれ補正は搭載していない
携帯性を優先したカメラなので、あえてボディ内手ぶれ補正は搭載していない。パナソニックのO.I..Sレンズを使えば手ぶれ補正は有効らしいが、数が少ないうえにやたらと大きく、E-420のコンパクトさがスポイルされてしまう。手ぶれ補正が必要ならば、E-510やE-520に純正レンズを装着した方が理にかなっていると思う。

扱いやすさが向上したAFライブビュー
今回のモデルチェンジの目玉はライブビュー。

ハイスピードイメージャAF」は、コントラストAFを利用したもので、シャッターボタン半押しでAFでピント合わせをし、ボタンを押し込むと撮影できる。従来のライブビューのように、ミラーがパタパタすることなくAFピント合わせができ、測距点は位相差AFよりも多い11点でフォーカスロックも可能。

8人までの顔認識機能も備えていて、顔に合わせてAF・AEが可能となっている。さらに「フェイス&バックコントロール」で、顔を明るくしつつ背景の白とびを抑えることが可能となった。ただしコンパクトデジカメのように自動的に顔にピントを合わせてはくれない。シャッターボタンかAEL/AFLボタンを押してからAFが作動する仕様になっている。

「ハイスピードイメージャAF」はハイスピードというほど高速ではなく、レンズが至近距離から無限遠まで一通り動かないとピントが合わない。画面上でピントが合っているなと思っても、最大のコントラストを検出するために、いったんフォーカスを大きくはずしてから合焦する。条件が良いときでも1秒以上ピント合わせに時間がかかるので、位相差AFのようなテンポの良い撮影は期待できない。

こう書くと、いまいち完成度が低いように思えてしまうが、あくまでも位相差AFと比較してのこと。同じくコントラストAFを搭載するニコン D300よりはずっと速く実用性は十分ある。

「ハイスピードイメージャAF」が可能なレンズは限られ、(今後対応レンズは増えるだろうが)対応していないレンズでは自動的に「ハイブリッドAF」となる。「ハイブリッドAF」はシャッターボタン半押しで大まかなピント合わせをし、ミラーダウンしてから位相差AFで合焦する。「全押しAF」は従来通りの位相差AF で、ミラーダウンして画面がブラックアウトした状態でピント合わせを行う。

E-3の技術が投入され、画質は若干向上
撮像素子は新開発、有効1000万画素のLive MOS。解像度は変わりないが、ダイナミックレンジが広がっているようで白飛びが抑えられている。フルサイズの1/4、APS-Cサイズの約半分の面積のフォーサーズなので、画質面でのハンデがあるのは否定できないが、絵をみる限りはそれをほとんど感じさせない。むしろ、光学的に余裕がある設計のレンズのおかげか、安価なキットのレンズでも画面周辺部までシャープな画質を実現している。ただ、ISO800以上の高感度ではあまり高い画質は期待できない。

AFとファインダーは、あいかわらすウィークポイント
地味なことに思えるかもしれないが、連続撮影速度が3コマ/秒から3.5コマ/秒に高速化されている。また、シャッターのフィーリングは従来よりもキレが良くなり軽快感が増した。

一方AFとファインダーは相変わらずウィークポイントになっている。上級機のE-3とのギャップが大きすぎるのだ。期待されたAFは従来通りの横1列の3点測距。ポイントが少ない上に、左右2点が中央に寄り過ぎているので、カバー出来る範囲が狭い。また多少合焦速度は向上しているようだが、被写体によってはなかなか合焦してくれない時もある。

ファインダー倍率は0.92倍と一見、十分な大きさに思えるが、APS-Cサイズに換算すると0.7倍程度と小さい。最近相次いでファインダーを改良した機種が登場したこともあり、特に中堅機と比較するとかなり見劣りする。MFで厳密なピント合わせをするには力不足だと思う。そんなこともあって、動きのない被写体では、積極的にライブビューを使った方が何かと便利だと思う。

安いだけではなく、こだわりが感じられる
E-420は安いカメラなのに、安物を買わされたと思わせないところがある。なによりもそのコンパクトさは他ではなし得ないし、先進的なライブビューを搭載して、新らしい撮影スタイルを提案している。確かにAFやファインダーは見劣りするし、手ぶれ補正は搭載されていない。しかし、それらを差し引いても十分魅力的なカメラだと思う。

オリンパス E-420 価格比較
主な仕様