オリンパス E-3

・11点全点クロス、千鳥配列のAF
・ライブビュー+フリーアングルモニター
・ボディ内手ブレ補正はシャッタースピード5段分の補正効果
・発売:2007年11月

劇的な進化を遂げたアウトドア派デジタル一眼

オリンパス E-1は、モデルサイクルが短いデジタル一眼レフの中で、2003年発売以来4年間、一度もモデルチェンジをしない貴重なカメラだった。しかし4年もすると、もはや競争力は無く、オリンパスの象徴以外に存在意義がなくなった。4年のブランクを経て登場したE-3は、E-1を改良したのではなく、ほとんど一から造り直した全く違うカメラに仕上がった。

全点11点クロスAFで合焦性能は格段に向上
E-1から最も変わったのがAF性能。E-1のAFは横一列の3点測距、中央のみクロスと登場時点ですでに時代遅れだった。ところがE-3に搭載されるAFは一気に11点の全点クロス、さらにそれが千鳥に2重配列してあるというのだから驚きだ。このAFに超音波モーター(SWD)搭載レンズの組み合わせると、世界最速のAFが可能になるという。オリンパスが言うように世界最速かどうかは不明だが、周辺センサーでも迷いがなく、無音で瞬時にピントが合う。AFスピードに関しては少なくともキヤノン EOS 40Dやニコン D300レベルにはあるだろう。

ライバルに追いついたファインダー
ファインダー像の小ささも、長い間フォーサーズの泣き所だったが、E-3では劇的に改善。視野率100%はそのままに、倍率はE-1の0.96倍から1.15倍へ大幅に大型化した。もっとも35mmサイズ換算すると0.58倍(ニコン D300、ペンタックス K10Dは0.63倍)にすぎないので、特別アドバンテージがあるわけではない。これまでのフォーサーズ機と比較すると格段に見やすくなったが、ライバルに追いついたと考えた方が良いだろう。画面サイズが小さいフォーサーズで、これだけのファインダーを実現するためにはかなり苦労したようだ。大きなペンタプリズムには高屈折ガラス、ルーペ系にもコーティングが施されたガラスレンズが使用され、かなりのコストが掛けられているようだ。

フリーアングルで扱いやすいライブビュー
ライブビューの使い勝手は向上した。液晶モニターは2軸可動構造で、縦横自在なアングルが可能となっている。液晶パネルには照度センサーが組み込まれていて、外部の明るさに応じて自動的に調整。広視野角で比較的見易い液晶モニターと併せて、活動範囲が広いライブビューが可能だ。しかし残念ながらコントラストAFは見送られ、ライブビューに限ればパナソニック DMC-L10に先を越されてしまった。

連写性能、レスポンスは標準的 起動時間は長い
連写速度はEシステムで最速となる5コマ/秒。今となっては格別速いわけではないが、AF速度が向上したこともあり、以前とは隔世の差だ。レリーズタイムラグ60ms、像消失時間100msは特別速いわけではない。体感的にはニコン D300やキヤノン EOS 40Dとの差はほとんどないが、ミラーが小さいフォーサーズならもう少し速く出来そうな気がする。

起動時間は相変わらず遅い。電源を入れてから2秒程度待たされる。また、メニュー変更時の画面表示の切り替えもタイムラグが大きい。

必要にして十分な画質、レンズの性能は高い
撮像素子は有効1010万画素で、E-410やE-510とほとんど変わりない。フラッグシップ機であることを考えると1200万画素くらいは欲しくなるが、現時点では1010万に留めておいて正解だったと思う。これ以上高密度化すると、感度とダイナミックレンジが犠牲になるだろう。画質はニコン D300やソニー α700、キヤノン EOS 40Dあたりとほぼ横一列。E-510よりもダイナミックレンジが広がり、白飛びが目立たなくなっているという。高感度ノイズは随分と低減されているようだ。ISO 400まではまったく問題なし。ISO800あたりからノイズが目立ち始め、解像度も落ちてくる。常用できる感度はEOS 40Dやニコン D300よりも1段分以上は低いようだ。

フォーサーズとは思えない重さ
E-3 は画面サイズが小さいフォーサーズにしては小さくも軽くもない。重さは810gもありニコン D300やフルサイズのキヤノン EOS 5Dと変わりない。頑丈なボディに多くの機能を詰め込んだのだから仕方がないとも言えなくはないが、フルサイズとフォーサーズが同じ重さと言うのは釈然としない。

大柄なボディのホールディング性はいい。オールマグネシウムボディは、従来のダイキャスト成形よりも強度が得られるチクソモールド方式を採用。握っただけで物凄い剛性感が掌に伝わってくる。さらに各所にシーリングを施し、防塵・防滴構造としている。ボディの質感、信頼性は飛び抜けて良く、この価格帯でそこまで必要かとも思ってしまう。しかしE-3の最大の特徴はこうした信頼性の高さなのかもしれない。

シャッターボタンのフィーリングは絶妙で、軽く短いストロークで押し切ることができる。ボタンは上から下に押すというよりも、手前に押す感覚。ボタン廻りにはくぼみが与えられ、指先のフィット感が良く、ブレが起こりにくい。

ダストリダクション、手ブレ補正機構の効果は高い
E-1以来搭載し続ける「ダストリダクション」は他社が目標にする非常に効果が高いシステムだ。おそらくこの点に関して、オリンパスはいまだアドバンテージがあるだろう。ボディ内手ぶれ補正の効果は今回なんとシャッタースピード5段分に強化された。ここまで補正範囲が広げられたのは、画面サイズが小さいことも理由にあげられる。公称値の比較では、キヤノンやニコンの最新の手ぶれ補正レンズよりも、補正効果が1段分高い。

交換レンズと併せて購入を検討するカメラ
おそらくE-3を作るために、とてつもないコストと労力が掛けられたのだろう。これが20万円以内で買えるとは随分安い。ただし、掛けられたコストの多くは、ライバルを引き離すためではなく、ライバルに追いつくためのものだろう。しかしその結果、E-1の欠点をことごとく潰した完成度の高いモデルになったことは間違いない。

ただし、ここまで大きく重いと、フォーサーズのメリットは何だろう?となってしまう。少なくともボディに関してはあまりメリットはないように思えてしまう。一方、交換レンズは画面サイズが小さいことのメリットを生かしたものが多い。その中でもE-3と同時発表になった12-60mm F2.8-4.0 SWDや50-200mm F2.8-3.5 SWDは、すばらしい描写性能と、他のフォーマットでは不可能なコンパクトさを実現している。こうしたフォーサーズならではのレンズを使うためにE-3は存在意義があるのかもしれない。

発売時参考価格
オリンパス E-3ボディ:199,800円(税込み)
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