2006年9月に登場したニコン D80は、D70sの実質後継機種にあたるが、全く違うカメラに仕上がっている。CCDは同社D200と同じ画素数の1020万画素を搭載し、ファインダーやAF、液晶モニターなどもD200と同等のものが採用するなど大幅なスペックアップが図られている。それでいて大幅な小型化がされていて、D50並のサイズを実現している。
ボディサイズはソニー α100とほぼ同じ幅で、高さは8mm以上D80の方が高い。重さは585gで、D50よりも45g、α100よりも40g重いが、D70sよりも15gほど軽くなっている。ホールド感は上々で、ボディの高さに余裕があるので、小指までグリップに指が掛かる。グリップの形状が良いのでサイズが小さくなったにもかかわらずD70sよりも握りやすいボディだ。
ボディ外装はD200とは違い強化プラスチック製だが、表面仕上げをエンボス調にしてあり、それなりの質感はある。α100やEOS Kiss デジタルXよりもボディサイズに余裕があるので、ボディ上面に液晶表示パネルが設置してあり、三脚使用時には重宝する。また他社の普及クラスのボディと違ってグリップ部前後に2つのコマンドダイヤルが備えてある。
背面の液晶モニターは明るく高精細で、とても見やすい。最近発売されるデジタル一眼レフはみな2.5型、23万画素前後のものだが、D80の液晶モニターの見やすさは、かなり上位に位置する。細かいところでは新たに画像の拡大・縮小ボタンが追加され、ワンタッチで画像を望む大きさに変えられるようになった。
ファインダーを覗いてみるとD80の評価はさらに高くなる。新たにガラスペンタプリズムを採用し、視野率95%、倍率0.94倍とD200と同等のスペックで、像が大きくピントの山がつかみやすい。おそらくボディ価格20万円以下で、これ以上のファインダーはないだろう。
AFセンサーユニットもD200と同じく「マルチCAM1000」が搭載されている。測距点は11点で、AFエリアをカメラが自動的に選択する「オートエリアAFモード」が新たに採用された。 逆にD200で採用されている「グループダイナミックAF」が省略され、フォーカスエリアを拡大する「ワイドフォーカスエリア」もD200の7点からD80では中央1点になっている。
D70sではいちいちメニューで呼び出してAFモードを変えていたのが、D80ではAFモード切替ボタンを押すことでAFモードが変えられるようになった。できればD200同様、レバーで切り替えられればなお良いのだが、設置するスペースの問題があったのだろう。
シャッターユニットは最高速1/4000、シンクロ同調1/200で、D70sの1/8000、シンクロ1/500からスペックダウンしているように思えるが、フィーリングが良くなっている。レリーズタイムラグは約80msと上級機に迫る短さで、像消失時間もこのクラスとしては最短の部類だろう。起動時間も0.18秒とごく短く、D80はとてもレスポンスの良いカメラだといえる。このあたりの性能は普及機では後回しにされがちだ。
センサーは1020万画素とD200と同等だが、呼び出し方式は2チャンネル方式が採用されている。(D200は4チャンネル)2チャンネル方式の方がスピードの面では不利になるが、センサー周りを小型化でき、消費電力が少ないというメリットがある。
画質はD200とは色調が異なり、D200ではやや赤みが強かったのが、D80では抑えられ黄色が強くなる場合が多い。精細感は高く、D200よりもメリハリのあるチューニングがされているので、パッと見の印象はD80の方が好ましく見えるかもしれない。また、高感度時の画質もD200よりも改善され、若干ノイズが少なくなっているようだ。
カメラまかせで綺麗な写真を撮りたいのならば、10メガながらもっと安くて機能豊富なEOS Kiss デジタルXやソニー α100を選んだ方がいいだろう。
D80はには目を引くような機能もなければ、圧倒的なコストパフォーマンスの高さもない。ただ、カタログデータを比較するだけでは良さが分からないカメラだ。しかし、実際にファインダーを覗いてシャッターを切ってみると評価は変わる。普及クラスのカメラとはまるで違う使い心地なのだ。D80の登場は、今までボディサイズと価格がネックになって、D200の購入を躊躇していた人にとっては朗報だろう。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 有効画素数 | 1020万画素 |
| 撮像素子 | CCD サイズ:23.6x15.8mm |
| 最高解像度 | 3872×2592 ピクセル |
| 感 度 | ISO 100〜1600、ISO 1600に対し約1段まで増感可能(1/3段ステップ) |
| 画像記録方式 | RAW、JPEG、RAW+JPEG |
| 記録メディア | SDメモリーカード、SDHCメモリーカード |
| ファインダー | ペンタプリズムファインダー 視野率95%、倍率0.94倍 フォーカシングスクリーン固定式 |
| 液晶モニター | 2.5型 約23万画素 |
| オートフォーカス | 測距点:11点 AFモード:シングルエリア、ダイナミック、オートエリア |
| 露出制御 | 測光方式:マルチパターン測光、中央部重点測光、スポット測光 制御方式:プログラム、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出 露出補正:±5段の範囲で1/3、1/2段ステップで補正可能 |
| シャッター速度 | 1/4000〜30秒(1/3ステップまたは1/2ステップ)、バルブ |
| 連続撮影速度 | 約3コマ/秒 |
| 撮影可能コマ数 | JPEG:23コマ (最高画質) RAW:6コマ |
| 内蔵ストロボ | ガイドナンバー13(ISO100・m) |
| シンクロ | 同調速度1/200秒 |
| 手ぶれ補正 | 未搭載(手ぶれ補正レンズで対応) |
| 電 源 | 専用リチウムイオン充電池 |
| バッテリー寿命 | |
| 大きさ | 132(幅)×103(高)×77(奥行)mm |
| 質量(本体のみ) | 585g |