デジタル一眼(レフ)カメラ比較

デジタル一眼レフは成熟期に入り、ほとんどの機種で画質やAFなどの基本性能に大きな不満を抱くことはなくなった。最近ではライブビューは当たり前になり、動画撮影機能を備える機種も随分と多くなった。また、パナソニックがLUMIX G1を発売して以来、「ミラーレス一眼」というジャンルが定着し、多様化が急速に進んだ。「デジタル一眼レフ」のくくりから「デジタル一眼」へと広くなり、従来の機能性能重視の選び方から、撮影スタイルに会ったカメラ選び方に変わりつつある。

現在、国内ではミラーレス一眼に押され気味のデジタル一眼レフだが、海外、特に欧米では従来ながらの一眼レフがいまだにレンズ交換式カメラの大部分を占めると言われている。ところが、国内メーカーで従来ながらのデジタル一眼レフを発売している大手メーカーはキヤノン、ニコン、リコー(PENTAX)、シグマとなり、オリンパス、パナソニック、ソニー、富士フイルムはミラーレス一眼のみのラインアップだ。※ソニー α77などはミラーはあるが、実像ファインダーではない。



一眼レフとミラーレス一眼の比較


◇一眼レフとミラーレス一眼比較表
一眼レフ ミラーレス一眼
画質 基本的に同等 基本的に同等
大きさ・重さ 一般的に大きく重い 一般的に小さく軽い
AF 位相差AF コントラストAF(像面位相差AF)
ファインダー 光学ファインダー 電子ビューファインダー
コスト 一般的に高い 一般的に安い

◇基本的に画質はミラーの有無に影響しない、ただしレンズの設計には影響あり
従来の一眼レフとミラーレス一眼の差は文字通り、ミラーの有無の違い。一眼レフであれ、ミラーレス一眼であれ、同じセンサー、画像エンジンは共有可能。よって、基本的にはミラーの有無によって画質の差はないと考えていい。

しかし、ミラーレス一眼は一眼レフと比較してフランジバックが極端に短く、特に広角系のレンズの設計には有利なことが多く、性能を確保しやすいメリットがある。ただし、あくまでもレンズによるところなのでボディの違いによる画質面の差はないと考えていいだろう。

◇ミラーレスの一番のメリットは小型化軽量化が容易なこと
ミラーレス一眼の大きなメリットは、一眼レフと比較して小型化・軽量化が図りやすい。ミラーがないこと、フランジバックが短いことによりボディの小型化、軽量化が可能となり、部品点数も少ない。また、レンズマウントの口径を小さくすることができる。特に国内でミラーレスがこれだけのシェアを伸ばしたのは、コンパクトさを打ち出したことによるものが大きい。

◇現状では総合的に一眼レフのAFに軍配
一眼レフのAFが位相差AFを採用するのに対し、ミラーレス一眼はコントラストAFを採用する。(機種によっては像面位相差AFを兼用する場合もある)それぞれの特徴は位相差AFが高速で動体の追従が容易であるのに対し、ピントの精度の確保が困難。一方、コントラストAFは合焦速度、動体追従で劣るものの、ピントの精度を確保しやすいメリットがある。

◇ファインダーは一長一短
一眼レフの光学ファインダーはレンズを通した実像をタイムラグなく、いつでも確認できる一方、露出や、ホワイトバランスの確認ができない。一方、ミラーレスの電子ビューファインダーは若干のタイムラグと、見やすさが撮影環境に影響されやすいが、事前に露出やホワイトバランスを確認できるメリットがある。

◇ミラーレスはコストダウンがしやすい
ミラーがないこと、プリズムまたはダハミラーがないこと、また、多くの機種ではファインダーを搭載していないことからコストのかかる光学系の部品点数が少なく、コストダウンが図りやすい。


注目機種


キヤノン EOS 5Ds/5Ds R
・有効5060万画素CMOS
・5コマ/秒連続撮影
・重さ:930g
・2015年6月発売
外観は従来の5Dシリーズとの違いは少ないが、中身は大幅に刷新。特にこれまで高画素化に後れを取っていたキヤノンが満を持して自社製5060万画素CMOSを搭載し、中判デジタル一眼レフにせまる高精細さを実現。AFやミラーユニットも高画素化に合わせて刷新している。
ニコン D750
・有効2432万画素CMOS
・6.5コマ/秒連続撮影
・重さ:840g
・2014年9月発売
FXフォーマットの中級モデルに位置するチルト式モニターを搭載した計量モデル。有効画素数やボディサイズ、重さはD610と変わらないが、画質、AF他、多くの面でD610を上回っている。フルサイズながら軽量コンパクトであることも魅力。


富士フイルム X-T10
・有効1630万画素CMOS
・8コマ/秒連続撮影
・重さ:381g
・2015年6月発売
ボリュームゾーンからすると高級志向のX-T1の中核タイプ。富士フイルムのなかでは中核に位置するが他社との比較ではやや高級志向となる。独特なボディ形状はやや懐古調であるが質感もそれなりに高い。画質など上級機種のX-T1譲りの部分もあるが、防塵・防滴ボディではない。
ニコン D5500
・有効2416万画素CMOS
・5コマ/秒連続撮影
・重さ:470g
・2015年2月発売
一見ボトムエンドエントリーモデルのような佇まいだが、画質、機能面など中級APS-Cサイズ機を脅かす実力を秘めた多機能モデル。ライバルはEOS Kissシリーズだが、こちらの方がはるかに小さく軽い。


EOS 7D Mark II
・有効2020万画素CMOS
・10コマ/秒連続撮影
・重さ:910g
・2014年10月発売
AF、画質、信頼性など妥協のない進化を遂げAPS-Cサイズ一眼レフのフラッグシップに恥じない出来。おそらく今後3年以上継続販売されるだろうが、3年経っても色あせないだけの基本性能を備えているだろう。APS-Cサイズにここまで力を入れられるのは、キヤノンの自信と様々な面のアドバンテージがあるからだろう。
オリンパス O-MD E-M5 Mark II
・有効1605万画素CMOS
・10コマ/秒連続撮影
・重さ:469g
・2015年2月発売
デジタルカメラとしては異例の3年にも及ぶロングセラーE-M5の実質後継機種に当たる。新たにハイレゾショットを搭載し、三脚は必須になるが4000万画素相当の高精細画像が得られる。また、手ぶれ補正、AFともに進化しておりフラグシップのE-M5に迫る高性能・多機能を誇る。


オリンパスOM-D E-M1
・有効1628万画素CMOS
・10マ/秒連続撮影
・重さ:497g
・2013年10月発売
画質、AFをはじめとした機能、信頼性などこれまで最高のものを惜しみなく投入したオリンパス デジタル一眼の最高峰。フォーサーズが事実上終焉を迎えることからE-5以上の性能を持たせながらマイクロフォーサーズならではのコンパクトさを生かしている。
ソニー α7 II
・有効2430万画素CMOS
・5コマ/秒連続撮影
・重さ:599g
・2014年12月発売
Eマウントとして初めてボディ内手振れ補正を動体。5軸手振れ補正はフルサイズでありながら約4.5段分の補正効果がある。ボディ形状、操作性は見直され、やや大きく重くなったが新しく発売された大口径ズームレンズなどは、かえってこれ位のボディサイズの方がバランスがいい。α7Rで対応可能な4K動画は見送られた。


ソニー α77 II
・有効2430万画素CMOS
・12コマ/秒連続撮影
・重さ:726g
・2014年6月発売
AF、センサーを変更したα77の正常進化モデル。大きな進化はなく手堅いモデルチェンジだが、まだまだAマウントユーザーは多く存続の意思表示をする上でも重要なモデルとなる。レンズも刷新されたのは朗報だが、今後Aマウントはハイエンドユーザーターゲットの商品開発になるのだろうか?
PENTAX K-3 II
・有効2435万画素CMOS
・8.3コマ/秒連続撮影
・重さ:785g
・2015年5月発売
K-3のマイナーチェンジモデル。メカ、センサー等多くをK-3から流用しており基本性能の差はそれほど無い。K-3 IIでいちばん売りにしているのはオリンパス E-M5同様にセンサーを微小移動させ高精細画像を生成する「リアル・レゾリューション・システム」を搭載したことだが、手ぶれ補正が4.5段分と強力になったことも見逃せない。