ペンタックス K10D・ニコン D80・オリンパス E-510比較
/デジタル一眼レフ比較

ペンタックス K10D
必要な機能をほぼ網羅しつつ、扱いやすさ、画質共に満足させたハイコストパフォーマンスの中堅機種。連写、シャッター性能を除けば、ひとつクラス上のカメラと変わらない性能を持っている。操作性も非常に凝っていて、ここで取り上げた3機種の中では一番マニアックだ。ただサイズも一クラス上なので、購入するにはある程度の覚悟が必要だ。
ニコン D80
ニコンの大躍進の原動力となった同社の中核機種。先代D70sからは大幅なサイズダウンを図りながらも、基本性能、使い心地に磨きをかけ完成度は高い。特に目立った機能、性能は無いが欠点も少なく、バランスが取れている。そこそこコンパクトで、性能が安定しているので初心者にとっても選択の範囲になるが、上位機種D200の受け皿にもなりうる懐の深さがある。
オリンパス E-510
ライブニュー、ボディ内手ぶれ補正、センサーゴミ除去機構など他にはない豊富な機能がウリだが、それらの機能をこれだけ軽量コンパクトなボディで実現できたことに意味がある。確かにカメラ部分の性能は他の2機種に及ばないが、気軽にコンパクトデジカメの延長で、高画質が得られるメリットは計り知れない。

機能・性能比較

■ホールド感・使用感比較

機種名 大きさ
(幅×高×奥行)
本体重量 表示パネル 電子ダイヤル 縦位置グリップ
ペンタックス K10D 141.5×101×70mm 710g 2箇所
ニコン D80 132×103×77mm 585g 2箇所
オリンパス E-510 136×91.5×68mm 470g × 1箇所 ×

ペンタックス K10D
同価格帯の中では最も大きく重く、ひとつ上のクラスのEOS 30Dやニコン D200あたりと変わらない存在感がある。ボディ外装はこのクラスのライバル達と同じく強化プラスチックを採用しているが、剛性感は高く、ボディがきしむような事はない。さらにこのクラスでは初めて防塵・防滴ボディを採用し、高い耐候性能を持っている。大きなボディのおかげでしっかりとホールディングでき、窮屈な感じはしないが、グリップ部分は厚めなので、手の小さい人にとっては少々持て余すかもしれない。

ペンタックス独自のハイパー操作系は多少慣れが必要だが、瞬時に絞り、シャッタースピードが変えられ非常に便利だ。また新しい操作系統では、ダイヤルを廻すだけでISO感度が自在に変えられ、適正露出が得られる感度優先AEが面白い。

ニコン D80
サイズ、重量とホールディング性がうまくバランスされていると思う。これくらいの大きさ、重さならば持ち運びも億劫にはならないし、ホールディング性も良い。ただK10D同様、グリップ部分はやや厚めなので手の小さい人はしっかりホールドできないかもしれない。

液晶表示パネルはボディ上面に設置されていて、小さいながらも表示できる情報は多い。また前後に2つのコマンドダイヤルを備えているので、露出補正が素早く出来るなどのメリットがある。ボタン類も比較的機能ごとに割り当てられているので、モードや設定の変更はそれほどまごつくことは少ない。しかしマルチセレクターの操作感やドライブモードの切り替えなど改良の余地がある部分も見受けられる。

オリンパス E-510
E-510は他のデジタル一眼レフとは趣が少々異なり、穏やかながらタイト感のあるデザインだ。非常に豊富な機能を詰め込みながらも、サイズ、重量ともに最軽量級で、クラス最重量級のペンタックス K10Dよりも240gも軽い。この軽さ、コンパクトさは、画面サイズが他よりも小さな「フォーサーズ」を採用しているからこそできたのだろう。一見ホールドしづらいように思えるが、ボディの厚みが小さく、グリップの指掛かりがいいので、手の小さい人でもしっくりくる。

E-410の上位機種という位置付けのためか、設定変更やマニュアルの操作性の向上が図られている。ボディサイズに余裕がないので、他の2機種のように表示パネルは装備されていないが、2.5型の液晶モニターで設定が瞬時に確認、変更できるように工夫されている。ただ、1機能1アクションという点では上の2機種にやや劣る。

■付加機能比較

機種名 センサーゴミ除去機構 手ぶれ補正 ライブビュー
オリンパス E-510
ペンタックス K10D ×
ニコン D80 × ×
△手ぶれ補正レンズで対応

オリンパス E-510
目玉機能の豊富さでE-510に優る機種は、今のところ無いだろう。システム立ち上げ時から搭載し続ける「ダストリダクションシステム」は、他社のセンサーゴミ除去機構のよりも高い効果が期待できる。またE-510で新たに搭載されたボディ内手ぶれ補正は、すべてのフォーサーズレンズで補正が可能な上に、補正効果が高いとされている。さらにとどめはライブビュー機構で、いまのところオリンパス以外で搭載されているのはEOS-1D MarkIII だけで、コンパクトデジカメ感覚で気負わずにアングルフリーで撮影できるのもいい。

ペンタックス K10D
ペンタックスのボディ内手ぶれ補正は、古いスクリューマウントレンズでも補正が得られる。センサーゴミ除去機構は手ぶれ補正機構を利用した簡易的なもので、過信は禁物だがやはりあるに越したことはない。

ニコン D80
機能面で目を引くものはない。手ぶれ補正はボディでは対応していないし、必須となりつつあるセンサーのゴミ除去機構は搭載されていない。

■AF性能比較

機種名 測距点 AFモード AFエリア切り替え AF方式
ニコン D80 11点 ・シングル
・コンティニュアス
・自動切換え
・シングルエリアAF
・ダイナミックAF
・オートエリアAF
レンズ内モーター
ボディ内モーター
ペンタックス K10D 11点 ・シングル
・コンティニュアス
・オート
・セレクト
・中央
ボディ内モーター
レンズ内モーター
オリンパス E-510 3点 ・シングル
・コンティニュアス
・自動選択
・任意選択
レンズ内モーター
※1 レンズ内モーターもあり

ニコン D80
AFセンサーユニットはD200と同じく「マルチCAM1000」を搭載。測距点は11点で、中央1点のクロスセンサーと上下2点の横センサー、左右の縦センサーで構成され、AFは俊敏で被写体への追従性能は高い。AFモードは、任意に選択した1点のみでピントを合わせる「シングルエリア AF」、被写体が任意の1点から外れたときに他のフォーカスエリアで捉える「ダイナミック AF」、カメラが自動的に選択する「オートエリアAFモード」の3モードが搭載されている。また中央の1点はフォーカスエリアを拡張するワイドフォーカスエリアに対応している。AFエリアの切り替えは、ボディ上面のAFボタンを押して行うものだが、ボディ上面の液晶パネルの小さな表示を見て行う必要がある。出来ればD200のようなレバーで切り替える方が視認性の面でも望ましい。

ペンタックス K10D
11点測距のうち9点がクロスセンサーという、上級機種顔負けの贅沢さだ。ただ、AFスピードの点では使用するレンズによってはかなり遅く感じることがある。またほとんどのレンズがボディ内モーター駆動のため、作動音は結構うるさく少々興ざめる。AFエリア切り替えは自動選択と任意選択の2種類で、D80のように「ダイナミックAF」的なモードは搭載されていない。

オリンパス E-510
横一列の3点測距で、測距点の間隔が狭いこともあり、フレーミングの自由度は低い。コントラストの低い被写体では迷いがあり、AF面ではライバルに差をつけられている印象だ。キヤノンと同じく全てレンズ内モーターを採用。超音波モーターでなくても作動音はごく静かだ。

■連写・レスポンス比較

機種名 連続撮影 連続撮影枚数 起動時間 レリーズタイムラグ
ニコン D80 3コマ/秒 JPEG:23コマ
RAW:6コマ
約0.18秒 80ms
ペンタックス K10D 3コマ/秒 JPEG:カード空き容量まで
RAW:9コマ
約0.3秒 不明
オリンパス E-510 3コマ/秒 HQ:カード空き容量まで
RAW:8コマ
2秒程度 不明

連続撮影枚数はどの機種も3コマ/秒と変わり映えしない。(これより遅い機種もまれだが)一方起動時間、レリーズタイムラグは機種によってかなりばらつきがあり、各社のこのクラスのカメラ造りの考え方の違いとなって現れている。レリーズタイムラグは、普及クラスではまず話題になることのない性能だが、中級以上の機種ではシャッターチャンスを逃さないという点でも重要になってくる。

ニコン D80
D80は手に取って見てから良さが分かるカメラだ。スペック面では目立ったところがない反面、フィーリングやレスポンスはクラスを超えたものがある。連写速度、記録コマ数はごく普通だが、起動時間、レリ−ズタイムラグは短く、シャッターのフィーリングもいい。

シャッターは最高速1/4000秒、シンクロ1/200秒と特に際立った性能のものではないがフィーリングはなかなかだ。レリーズタイムラグはカタログ値で80msとこのクラスとしては短く、ボタンを押した瞬間にシャッターが切れたという感触がある。マイルドな作動音とともに、ミラーショックも比較的抑えられているようで、心地よくシャッターが切れる。

また、起動時間は0.18秒とスイッチを入れてほとんどタイムラグなくスタンバイ状態になる。連写速度は3コマ/秒とこのクラスでもごく平均的だが、AFを含め全体的にレスポンスが良く、動体もなんなくこなせてしまう機動性を持っている。

ペンタックス K10D
K10Dに注文にひとつ注文をつける部分があるとしたら、シャッターのフィーリングを改善してほしいということだ。10万回の動作に耐えられるシャッターユニットだが、シャッターフィーリングはキレがなく、ボタンを押してから「ガッシャン」と一呼吸置いてからレリーズ完了、といった感触なのだ。K100Dのレリーズタイムラグ、150msよりは短くなっているとのことだが、D80には及ばず像消失時間も長いことだろう。一方シャッターボタンのフィーリングは上級者向きのストロークが短く、軽い力で全押しできるタイプのものだ。

連写速度はライバルと同等の3コマ/秒と不足はなく、JPEGであればカード空き容量がなくなるまで連写が可能だ。起動時間は0.3秒と素早く、常時スイッチをオフにしていてもそれほど心配はない。

オリンパス E-510
シャッターは最高速1/4000秒、シンクロ1/180秒と画面サイズが小さい割には高速ではない。レリーズタイムラグ、像消失時間はメーカーが公表していないが、おそらくそれほど短くはないだろう。フィーリングはD80のようなキレの良さはないが、K10Dのような違和感もない。特に見るべきところがないシャターユニットだが、ミラーが小さい分ミラーショックや作動音はそれほど大きくないようだ。

連写速度は3コマ/秒、JPEGのHQモードならばカード空き容量がなくなるまで連写が可能だ。起動時間はやたらと長く、2秒近く待たされる。これではとっさのシャッターチャンスを逃してしまうかもしれない。

■ファインダー性能比較

機種名 方式 倍率 視野率 スクリーン
ニコン D80 ペンタプリズム 0.94倍 95% 固定式(格子線表示可能)
ペンタックス K10D ペンタプリズム 0.95倍 95% 交換式(全3種類)
オリンパス E-510 ペンタミラー 0.92倍※ 95% 固定式(罫線表示可能)
※APS-Cサイズ換算0.67倍

ニコン D80
D80の美点のひとつに像が大きく、ピントの山が掴みやすいファインダーが挙げられる。D200とまったく同じガラスペンタプリズムのファインダーは、APS-Cサイズのデジタル一眼レフとしては最高レベルの見易さで、同社のフラッグシップD2 Xs、D2 Hsよりも像が大きい。

ペンタックス K10D
D80と同じくペンタプリズムを採用するファインダーは、D80同様大きく、ピントの山の掴みやすさもD80に迫るものがある。K10Dは上級機種さながらのスクリーン交換式で、3種類の中から選ぶことができる。

オリンパス E-510
E-510の最大の弱点と言っていいのが、このファインダーだ。像は小さくピントが実際よりも深く見えてしまうので、MFでのピント合わせは困難だ。

■画質比較

機種名 有効画素数 撮像素子 画面サイズ ISO感度 仕上りモード
ニコン D80 1020万画素 CCD 23.7×15.6mm 100〜1600
(3200まで増感可)
5種類
ペンタックス K10D 1020万画素 CCD 23.5×15.7mm 100〜1600 2種類
オリンパス E-510 1000万画素 Live MOS 17.3×13.0mm 100〜1600 3種類

ニコン D80
上位機種D200と同じ画素数のCCDだが、読み出し方式が異なり、D200が読み出しスピードが優れる4チャンネル呼び出しを採用しているのに対し、D80は消費電力が小さくコンパクトな2チャンネル呼び出し方式を採用している。

解像度はD200同様に高く、D80の方が幾分シャープネスが強い分、ぱっと見の見栄えがいいかもしれない。高感度のノイズの少なさの点では上位機種D200よりも進化していて、1000万画素機の中でもかなり優秀な部類との評価だ。

仕上がりモードは5種類あり、「標準」での色調はD200よりも幾分派手でメリハリがあり、同クラスのライバルと比較しても派手な印象だ。このあたりはクラスによって色調を使い分けるニコンの特徴だが、D80はもう少し落ち着いた描写の方がいいような気がする。ホワイトバランス、露出はキヤノンほどではないが比較的安定している。また撮影後に逆光で暗くなってしまった人物などを、明るく補正できる「D-ライティング」が搭載されていることもあり、失敗写真の割合はライバルたちと比較しても少ないだろう。

ペンタックス K10D
D80と同じく、APS-Cサイズ1020万画素CCDで2チャンネル呼び出し方式を採用している。
カタログでは「画質革命」と謳っているが、「革命」は言い過ぎにしてもなかなか繊細な描写で、解像度は1000万画素機の中ではトップクラスとの評価だ。また、22ビットA/D変換を採用していることが影響しているのかもしれないが、質感描写はなかなかのものだ。

ただ白とびはしやすい方で、露出オーバーには少々気をつけたほうがよいだろう。高感度時のノイズはD80と比較すると多めだが、解像度はそれほど犠牲になっていないようで、高感度フィルムを使用したときのような描写だ。オートホワイトバランスにはやや癖があり、光源によっては意図しない色調に転んでしまうことがあるので、できればマニュアルホワイトバランスを積極的につかいたい。

仕上がりモードは「ナチュラル」と「鮮やか」の2種類で、標準の「ナチュラル」では、幾分地味目な発色でシャープネスもそれほど高くない素材性重視の描写だ。

オリンパス E-510
オリンパスのデジタル一眼レフは、ライバルたちよりもひとまわり小さな撮像素子を採用。E-510はE-410と同じく有効1000万画素Live MOSを搭載。先代のE-500からは画素数が増えたことと、画像エンジンが新しくなったことで、画質面で大きな進化を見せ、繊細で解像感の高い描写だ。

画素数が増えたにもかかわらず、高感度ノイズは低減している。EOS Kiss デジタルXやD80と比較するとまだ差はあるが、K10Dあたりとはそれほど差がないようだ。色調は、以前のオリンパスの特徴だった色乗りの良い派手なものから一転、素材性重視の誇張の少ない穏やかな画像へと変化した。

ホワイトバランスにはやや癖があるようで、状況によっては意図しない色調となることもある。また、ダイナミックレンジは画面サイズが小さいこともあり、やや狭く他の機種に比べて白とびは多いようだ。

E-510が他の2機種と大きく異なる点は、同じ画角でも他の2機種よりもピントが深く、大きなボケを得ようとするには絞りを開ける必要があるということだ。これは画面サイズが小さい上に仕方がないことだが、逆にピントを深くしたい場合、それほど絞り込む必要が無いというメリットがある。。