キャノン EOS-1Ds Mark II
・有効1670万画素CMOSによる、圧倒的な描写性能
・像が大きく、ピントの山が掴みやすいファインダー
・信頼性、堅牢性の高いプロの仕様に耐えられるボディ
・2004年11月発売
フィルムを超えた圧倒的な描写性能
発売から3年目を迎えるが(2007年7月現在)いまだに画質面でEOS-1Ds Mark IIの牙城を揺るがす機種は出てきていない。搭載されるセンサーはフルサイズ、有効画素数1670万画素のキヤノン製CMOS。画像は圧倒的な解像度を誇り、偽色やモアレが抑えられとても繊細でダイナミックレンジの広さ、高感度ノイズの少なさもトップクラスで非の打ち所がない。
フルサイズであることと、あまりの高画質ゆえにレンズの欠点があからさまになってしまう。EOS-1Ds Mark IIに高価なLレンズを使用しても、性能の劣るレンズに思えてしまう時も多々あるようだ。特に広角系のレンズでは画面周辺部の画質の劣化がモロにわかってしまう。
カメラ部分の性能も一級品だ。ファインダーはデジタル一眼レフの中ではこの上なく見やすく、像が大きい上にピントの山がつかみやすい。連写速度こそ4コマ/秒と画像データが大きい分遅いが、シャッターのキレは良く、大きなミラーながらミラーショックも良く抑えられている。ボディ外装はマグネシウム製で当然防塵、防滴仕様だ。ボディサイズは堂々としたもので、重量は本体のみで1215gと35mmベースのデジタル一眼レフ中最重量だ。しかし、フルサイズであることを考えると、この大きさ、重さは致し方なかったのかもしれない。大きさはAPS-Cサイズのニコン
D2Xsとさほど変わらないし、重量も150g弱の差だ。それでもこのボデイに見合ったレンズを装着して撮影に繰り出すにはそれなりの体力と度胸がいる。
機能面、操作性ではやや見劣りする
機能面では古さを隠せなくなってきている。液晶モニターは今時珍しい2.0型だし、EOS Kiss デジタルXやEOS-1D Mark IIIで搭載されているセンサーのゴミ除去機構は搭載されていない。1D
Mark IIIで同社がはじめて搭載したライブビューの搭載も、次のモデルチェンジまで待つことになる。
キヤノンは以外に頑固なところがあり、プロ機ではモデルチェンジをしてもデザイン、操作性を受け継ぐという伝統がある。ボディデザイン、サイズは細かな違いはあるものの先代EOS-1Dsとほとんど変わらず、1987年登場のEOS-1からの流れをそのまま受け継ぐ形となっている。操作性もEOS-1の流れを汲むものとなっていて、慣れないとやや往生する。
ボディ背面のサブ電子ダイヤルは、キヤノンユーザーにとっては馴染み深いが、EOS 30DやEOS 5Dとは操作方法が異なる。たとえばメニューの呼び出しのとき、30Dや5Dではダイヤルを回してからボタンを押して決定するのだが、1Ds
Mark IIはボタンを押しながらダイヤルを回し、ボタンを離して決定する。
決定するまではボタンを押したままの状態が続き、片手で操作するのは不可能なのだ。画像の再生もディスプレイボタンを押して再生画面を表示した後に、セレクトボタンを押しながらサブダイヤルを回す必要がある。このあたりの操作性は確実に下位機種の方がシンプルで迅速だ。最近登場したEOS-1D Mark IIIもようやく30Dや5Dと同様の操作方法へと変更された。
EOS-1Ds Mark IIは3年経っても一線級の実力を持つフラッグシップ機だ。しかし、機能面、操作性の点では古さが隠しきれなくなってきているのも確かだ。近いうちに1Ds Mark IIIが発売されるだろうから、それを待ったほうが賢明だろう。
ライバルと比較して
EOS-1Ds Mark IIのライバルは存在しない。あえて探すとなればニコン D2 Xsということになるだろうが、画質面、特に高感度時のノイズの少なさやダイナミックレンジの広さでEOS-1Ds
Mark IIのライバルと呼ぶには役不足だろう。また、ホワイトバランスの正確さもキヤノンが得意とするところだ。一方ハンドリングのよさはニコン
D2 Xsに分があるように思える。デジタル部の操作性はシンプルだし、ファンクションボタンを利用していろいろカスタマイズできるのも見逃せない。トータルで考えるとやはりEOS-1Ds
Mark IIの方が格が上だが価格も別格だ。実売価格はやや下がったとはいえ70万円を超え、ニコン D2 Xsよりも30万円以上高い。はたして2者の性能差がこの価格差ほどあるかというと疑問だ。
EOS-1Ds Mark IIは、最高の画質を求めるならばお金に糸目をつけないごく一部の人のカメラだ。その点ニコン D2Xsはまだなんとか趣味のカメラとして、購入の対象になる範囲に留まっている。