トキナー
AT-X 116 PRO DX(11〜16mm F2.8)
定価:94,500円(税込)
■レンズ構成:11群13枚■最短撮影距離:0.30m■最大撮影倍率:0.09倍■絞り羽根:9枚■フィルター径:77mm■最大径:84mm■長さ:89.2mm■重さ:560g■2008年2月発売
トキナーには12〜24mmをカバーするAT-X124 PRO DXがラインナップしているが、「AT-X 116 PRO DX」はワイド側を1mm広げ、デジタル専用広角ズームとしては初めてF2.8を達成。ニコン、キヤノンマウントのみの発売で、ニコン用は35mm換算16.5-24mm、キヤノンは17.5-26.5mmとニコンーザーの方が広い画角が得られ、キヤノンユーザーよりも少しだけお買い得感がある。
AT-X124 PRO DXと同じ鏡胴を採用しているとあって、サイズはほとんど同じ、重さも560gと50g重いだけで、F2.8大口径広角ズームとしては軽量コンパクト。また価格もAT-X124
PRO DXと同じ94,500円で、2本目、3本目の交換レンズの選択肢に、普通に入れられる範囲内に収まっている。
このサイズと価格を実現できたのは、テレ側を16mmに抑えたことによるものが大きい。テレ側を切り捨てたことで、ズーム比はわずか1.45倍の「低倍率ズーム」になってしまい、ファインダーを覗いたときの画角の変化はあまり大きくない。しかし、標準ズームは16mmや18mmから始まるレンズがほとんどなので、それらのレンズとダブる焦点域がなくなり、ある意味合理的なレンズとも言える。
ただ、やはり他の2倍前後の広角ズームと比較するとテレ側が決定的に短く、スナップ的用途としては扱いが難しいと思う。
フォーカス方式はインナーフォーカスを採用し、最短撮影距離は30cmでAT-X124 PRO DXと同じ。AF時にはフォーカスリングが回転せず、MFはフォーカスリングをスライドするだけで瞬時切り替えられる。フォーカスリングは前部に幅広のものが設けられていて、MF時にはガタつきが少なく、微妙なトルク感があり操作性は素晴らしい。
非球面レンズ、超低分散レンズを2枚ずつ、さらには広角ズームでありながら9枚羽根の絞りを採用した贅沢なつくりだ。描写性能は絞り開放時でもシャープで、広角ズームとしては画面周辺部まで破綻が少ない。湾曲収差はワイド側ではやや気になるだろうが、焦点距離からすれば許容できるだろう。また、周辺光量落ちはF2.8の大口径としては少ない方ではないだろうか。
ズーム倍率の低さがネックになり、多くのユーザーは多少暗くても、もっと倍率の高い広角ズームにより魅力を感じると思う。しかし操作性も描写性能も良く、デジタル専用では唯一となるF2.8大口径広角ズームの存在意義は十分あると思う。