かつて、2/3型などの大きめのCCDを搭載していたハイエンド高倍率ズームは、デジタル一眼レフに取って変わられ、今ではコンパクトさを優先した機種が主流になった。FinePix S9100は、今では少数派となったハイエンド高倍率ズームで、1/1.6 型の大きめのCCDを搭載している。300g台の軽量・コンパクトボディが主流の中にあってS9100はかなり大柄で、重さは650gもある。この重量は標準レンズを装着したデジタル一眼レフ、オリンパス E-410よりも重い。
S9100の特徴は写りの良さにある。903万画素のスーパーCCDハニカムHRは解像度の高さに加えて、ダイナミックレンジが広く、高感度時の画質の劣化が少ない。35mm換算28〜300mm相当の10.7倍ズームの性能も高い。弟分のS6000fdと同じレンズだが、数ある10倍強の高倍率ズーム機の中でおそらく最も描写性能の優れたレンズだろう。ワイド側でも湾曲が少ないし、画面中心部、周辺部の画質の差も少ない。また、テレ端でもシャープでコントラストが高い。 ここのところ広角28mmの高倍率ズームが続々と登場しているが、満足できる描写性能のレンズは、S9100とS6000fdに搭載された10.7倍ズームだけだろう。
テレ側は300mm 相当で明るさはF4.9と暗い。望遠側では感度を上げてシャッタースピードを稼ぐことになるが、光学式手ブレ補正が搭載されていないのが痛い。高感度画質には定評があるが、手ブレを押さえるには感度アップに頼るしかなく、画質の劣化は覚悟しなくてはならない。ワイド側に比べ、望遠側ではライバル達と比較してハンデがあることは確かだ。ズーム方式は手動の回転式が採用されていて使い勝手が良い。俊敏なズーミングが可能だし、微妙なフレーミングもしやすい。
さらにフォーカスリングも装着されていて、レンズ交換式デジタル一眼レフ並の操作性だ。ボディサイズに余裕があるのでアクセサリーシューも装備されている。これによって外付けストロボをブラケットを使わずに直接装着できる。背面の液晶モニターは2.0型とS6000fdよりも小型だが、可変式なのでマクロ時やローアングル、ハイアングル時に重宝する。尚、S6000fdでは固定式の液晶モニターが搭載されている。
FinePix S9100 は、優れた画質の本格派高倍率ズーム機だ。ライバルはパナソニックのDMC-FZ50。画質、レンズの描写性能はS9100が若干上だが、光学式手ブレ補正が搭載されていないなど、機能面では見劣りする。両機種共にネックになるのはレンズ交換式デジタル一眼レフ並のサイズで、このことがS9100をマイナーにしてしまっている。10倍ズームでこのサイズなのだからと割りきれないこともないが、これならレンズ交換式デジタル一眼レフを選んだ方がいいような気がしないでもない。ちょっと微妙な立場にある機種だ。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 有効画素数 | 903万画素 |
| 撮像素子 | 1/1.6型スーパーCCDハニカムHR |
| レンズ | 6.2-66.7mm(35mm換算28-300mm)F2.8-4.9 |
| 最短撮影距離 (レンズ先端から) |
標準:[広角]約40cm、[望遠]約2.0m マクロ:[広角]約10cm、[望遠]約90cm スーパーマクロ:約1cm |
| 感 度 | ISO80〜1600 |
| 記録メディア | xD-ピクチャーカード、マイクロドライブ、CF |
| ファインダー | 0.44型 カラー液晶ファインダー約23.5万画素 |
| 液晶モニター | 2.0型 約23.5万画素、上下マルチアングル |
| 連続撮影速度 | 通常:約0.65秒間隔 40コマ連写:約0.9秒間隔 |
| 手ぶれ補正 | 未搭載 |
| 大きさ | 128.0(幅)× 93.0(高)× 129.0(奥行)mm |
| 質量(本体のみ) | 650g |